メルマガの開封率は10〜30パーセント
メルマガの開封率を上げる方法の前に、自社の現状は良いのか悪いのかを知る必要があります。 メルマガの開封率は、業界によって差がありますが、平均10〜30%とされています。
1週間に少なくとも1,000通以上のメールを送信している企業のみを対象とした米国・SendGridの調査結果によると、業界によって開封率には差があるということがわかっています。
開封率が高い業界として、最も高いのは保険業界で77%以上です。 次いで、旅行やテクノロジー業界に属する企業の開封率も70%超と高い数字となっています。一方で出会い系サイトやゲーム関連のメルマガの開封率は30%と低くなっています。
この調査が米国中心の調査であり日本のみの調査ではないため、日本における結果は少し違ったものになるかもしれませんが、同じなのは、顧客にとってより重要度の高い事柄には敏感に反応するということでしょう。 必要性の高い情報かどうかを開封前に判断するため、自身の生命やお金にかかわることにおいては関心度が高くなり、ゲームなどの余暇を楽しむためのものには緊急性を感じにくいという点では同じだと予想できます。
開封率を上げるために確認すべき4つの要素
メルマガの開封率を上げるのに重要な要素は次の4つです。
- 宛先
- 内容
- 時刻
- 頻度
これらは、成功を左右する需要なファクターとなります。その理由とどのように考えれば良いのか、解説します。
適切な宛先か
メール配信に共通する黄金律は、読者が希望するメールを送信する、ということです。 ここでいう宛先リストの『質』とは、エンゲージ(開封/クリック)した宛先のリストなのかということです。実際にどんな種類のメールがどれぐらいの頻度で送られてくるのかを、読者自身が把握できる状態にしておきましょう。 これは、Preference Center(メールの受信設定画面)を設置することで対応できます。
適切な内容か
言うまでもなく、ターゲットが求めている内容でなければ、開封はされません。 自社が伝えたいことに集中するあまり、読者のメリットが無い内容であれば、ひとりよがりになってしまい、効果は出ません。 ターゲットである読者にメリットのあるタイトル、内容にするようにしてください。
適切な時刻か
ターゲットがメールを見ない時刻に送信しても、開封率を上げることはできません。メールボックスを開いたタイミングで上の方にあるメールは目に留まりやすく、特に毎日たくさんのメールを受信している人の受信箱は、新規のメールで溢れています。 ターゲットとなる見込み顧客の属性から、メールを開くであろう時刻を想定し、送るようにしましょう。 自社の商品やサービスによって、ビジネス時間に見るのか、プライベート時間に見るのか、適した時刻を選択するようにしましょう。
適切な頻度か
頻度も重要な要素です。頻度が高すぎると迷惑に感じるのはいうまでもないでしょう。 あまりにも多すぎると嫌われてしまうことは言うまでもないですが、少なすぎるのも考えものです。 メルマガには、ターゲットとの接点を持っておく、という役割もあります。 購入に周期のある商品であれば、前回送信から何週間で送る、などと決めるのも効果的です。 そういったパーソナライズをするには、メール配信システムの導入がおすすめです。 送信先が多い場合、1人1人にタイミングを合わせるのは難しいでしょう。システムを導入すれば、個人個人に合わせてシステマチックに運用することも可能です。
開封にはタイトルが命
読者は、魅力的なタイトルでないと開封しようという気にはなりません。開封率を上げるには、次のようなことに気をつけてタイトル付けをしましょう。
- できるだけ具体的に書く
- 緊急性・希少性を伝える
- 伝えたいことを端的に伝える
抽象度の高いタイトルは、それを読んだときの効果がわかりづらく、開封されにくいです。数字を盛り込むと具体性が上がります。例えば、「8割の人が実感」「90%以上の人がリピート」「50%OFF」など、具体的な数字を入れるとイメージがわきやすく、インパクトを出せます。 また、タイトルを見て、今必要がない内容と判断されてしまうと開封率は上がりません。なぜ今これを読む必要があるのか、なぜこの商品じゃないといけなそうなのか、が伝わるタイトルにすると良いでしょう。「キャンペーンは25日まで」「業界で唯一」など緊急性や希少性が伝わる言葉選びをしましょう。 さらに、タイトルが長すぎる場合、何を伝えたいメールなのかがわからず、スルーされてしまいます。 読者のメーラーによって、受信画面に表示される文字数には違いがありますが、30文字を目安に作るようにしましょう。 最も伝えたいことは何か、読者のメリットを考えてタイトルをつけるようにしてください。
差出人が誰かわかるようにする
読者の心理として、怪しいメールは開きたくない、という心理があります。 怪しまれないようにするための対策として、メールアドレスに名前を設定するとメールの送信者が分かるため、メールが開封されやすくなります。 Gmailでは、名前以外に顔写真の設定もできるため、保険商品などのように担当者がつくような商品の場合は、顔がわかると安心して開いてもらえるでしょう。
ターゲットの閲覧端末に仕様を合わせる
メールは、閲覧する端末によって画面サイズが異なるため、レイアウトが変わります。PCは横長、スマートフォンなら縦長というようにそれぞれのサイズに対応しなければなりません。PCでもスマートフォンでもタブレットでも崩れずにデザインが表示できるようにすることを「レスポンシブ対応」といいます。
レスポンシブ対応をしていないメルマガは、改行の位置がおかしかったり、画像サイズが小さくなったりと、読みづらく、読者にストレスを与えかねません。
メルマガを作成した後は、必ず、PCとスマートフォンでデザインやレイアウトを確認しましょう。
改善したら測定を忘れずに
開封率を上げるために改善をしたとしても、数値の計測ができていなければ、その施策が効果的だったのかどうかがわかりません。 ここからは、測定するために有効なツールを紹介します。
メルマガ配信システム
メルマガ配信システムには、メルマガの開封率やメール内に設置したURLのクリック率などを測定する機能があり、メルマガの効果検証ができます。 メール文面を作成したり、配信先のメールアドレスをリストとして登録しておいたり、メールを一斉送信したり、メルマガ運用の一連の動きがひとつのシステムでできるため、工数削減に寄与します。 HTMLメールの作成機能が備わっているものも多く、HTMLやCSSの知識がなくとも簡単にデザインを取り入れることができます。
MAツール
多くの場合、メルマガを発信する目的は、売上を上げることではないでしょうか。メルマガの開封率は上がったけど、売上が上がらない、という悩みをお持ちの方にはMAツールがおすすめです。 MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入すると、メルマガの開封率だけでなく、顧客一人一人のその後の行動についても計測できるようになります。 メルマガから自社のサイトにどれくらいの人がきたか、どんな人がきたか、などがわかります。 頻繁にサイトに来ている見込み顧客には、自社商品やサービスへの関心が高いと判断して、優先的にアプローチをかけることなどもできるようになります。 顧客の購買データなどを分析し、似た顧客の固まりごとに適切な内容のメールを配信できる機能があるものもあります。
メルマガは少しの改善で効果が出やすい
今回紹介したポイントはすぐに実行できるものばかりです。配信時間や頻度の見直し、メールの送信元を明確にする、などをしてみて効果測定をしましょう。 時間や頻度に関しては、すぐにベストを見つけるのが難しい場合もあります。 毎回、検証をするつもりでひとつずつ何かを変えていくと、何がベストなのかは見えてきます。 検証には、システムを導入することをおすすめします。今後もメルマガをマーケティング施策として継続するという方針であれば、システム導入も検討してみてください。
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