コンテンツマーケティングとは
コンテンツ(Contents)とは英語で「中身、内容物、内容」を意味しますが、マーケティング業界では「価値ある情報」を意味します。
コンテンツマーケティングとは、受け手にとって価値のあるコンテンツを通して商品やサービスが売れる仕組みを作っていくことです。
直近すぐに顧客にはならなくても、コンテンツを通して見込み顧客を育成し、結果として商品やサービスを購入・利用してもらいます。そして最終的にはロイヤリティの高い顧客になってもらうマーケティング手法です。
ブランド力を高めて信頼を得られるメリットがある
コンテンツマーケティングを企業やブランドが行うメリットは、ブランド力を高めて顧客から信頼を得られることです。
CM・チラシ・インターネット広告などの直接的かつ商品情報のみ語る一方的なコミュニケーションは、顧客にとって時には興味がないタイミングに接触することになり、ノイズになりかねません。
一方、コンテンツマーケティングは顧客の立場に立って有益な情報を伝えるため、企業やブランドに対して良いイメージを持ってもらいやすくなります。
企業やブランドが発信したコンテンツを通して顧客の認知を獲得し、需要を感じたときに購買してもらうことでより納得して商品やサービスを利用してもらえるメリットがあります。
コンテンツマーケティングでよく使われる方法
それでは企業やブランドが行うコンテンツマーケティングでは、どのような方法が用いられるのでしょうか。
ブログなどによるSEO記事
コンテンツマーケティングはWebサイトやメールマーケティングなどのデジタルマーケティングにおいて多く利用されます。Webサイト上に単なる商品やサービス説明を行うのではなく、ブログや読み物記事としてのコンテンツを用意します。自社が発信するメディアをオウンドメディアとも呼びます。
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」を意味します。ユーザーが検索エンジンで入力するキーワードに対して、その答えとなるコンテンツを用意します。
またメールマーケティングでも使える方法です。既存顧客の求める情報をメルマガを通して伝えることで、メールの開封率や読了率を上げロイヤリティを高めることにもつながります。
疑問や関心を持って検索しているユーザーや既存顧客に対し納得感のあるコンテンツを提供できれば、ユーザーの満足度が上がり企業やブランドへの信頼につながります。
動画コンテンツ
YouTubeなどを活用した動画コンテンツも、コンテンツマーケティングの一例です。テキストよりもより視覚的にわかりやすく、エモーショナルな価値も届けられます。
動画コンテンツに魅力があればCM出稿に巨額な広告費をかけなくても、たくさんの人に見てもらえるチャンスが広がります。YouTubeチャンネルに登録してもらうことで長期的にもファンを増やしていくことができます。
セミナーやウェビナー
セミナーやウェビナーで有益な情報を発信することも、コンテンツマーケティングといえます。開催にあたり価値のあるコンテンツで集客し、顧客リストを保有し今後のマーケティング活動に活かしていきます。
たとえばB to Cとして生命保険会社が行うライフプランナーにお金の相談ができるセミナーや、B to Bとして業界のセミナーを開くなどです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは日本語でそのまま「白書」と訳されますが、企業の課題を解決する市場調査の結果などがマーケティングでよく使われます。
有料で配布できるような有益な情報を、顧客情報として氏名・会社名・メールアドレスなどと引き換えに無料でダウンロードできる仕組みをとられることが多いです。
セミナーのようにダウンロードした方のリストを保有し、新規顧客の開拓に結び付けていきます。
コンテンツマーケティングの具体的事例
それでは具体的に企業が行っているコンテンツマーケティングの事例を紹介します。
カゴメ株式会社「VEGEDAY(ベジデイ)」
カゴメ株式会社が運営する野菜の調理法や保存法などのキュレーションサイト「VEGEDAY(ベジデイ)」もコンテンツマーケティングの一例です。
例えば「トマト 健康」「レタス 保存」など検索すると、ベジデイのコンテンツが上位表示されています。検索サイト上で野菜に関する疑問を検索した際に、それぞれの疑問に対して答えるコンテンツやレシピを作成し、わかりやすく発信しています。
ケチャップや野菜ジュースといった直接的なカゴメ製品の広告を直接的に届けるのではなく、野菜に関する情報を取り扱うことで企業やブランドイメージを高め、結果として商品のファンを醸成しています。
https://www.kagome.co.jp/vegeday/
またカゴメは子供向けに野菜を好きになってもらうイベントや食育の分野でも積極的に情報を発信しているほか、長野県にカゴメ野菜生活ファーム富士見という「農業・工業・観光」が一体化した体験型「野菜のテーマパーク」も2019年に設立し運営しています。こちらも広い意味でコンテンツマーケティングといえます。
https://www.kagome.co.jp/vegeday/
大塚製薬株式会社「ポカリ青ダンス」
高校生が躍るCMでおなじみのポカリスエットの「青ダンス」も、オリジナルダンスを様々な高校のダンス部に踊ってもらいその動画が拡散することで成功したコンテンツマーケティングの一例です。
公式YouTubeチャンネルで細かい踊り方やフォーメーションを解説したレッスンビデオを公開したことで、初心者でも挑戦しやすいダンスがより話題になりムーブメントとなりました。
ポカリスエットのターゲットに近い高校生に注目して、丁寧にコンテンツを企画し発信していった事例です。
https://www.youtube.com/watch?v=_5DcYlnmIBk
コンテンツマーケティングで設定されるKPI
コンテンツマーケティングではすぐに直接的な売り上げに反映されにくいものですが、下記のようなKPIが考えられます。
・Google AnalyticsでわかるWebページのユニークユーザー数やページビュー数
・YouTubeの再生回数やチャンネル登録者数
・ソーシャルメディア上での「いいね」や「リツイート」などの拡散数
・セミナーやウェビナーへの参加者数
・ホワイトペーパーダウンロード数
・獲得した見込み顧客数
など
コンテンツマーケティングはTwitterやInstagramといったソーシャルメディアマーケティングとも相性が良いです。魅力的なコンテンツならば広告費をかけずともおのずとソーシャルで広がり、新規顧客の獲得に大いにつながります。
コンテンツマーケティングで優良顧客を獲得しよう
単純に広告を打つだけのマーケティングと違って、魅力的なコンテンツを発信することで見込み顧客の認知を獲得し商品やサービスを購買してもらい、その後も長期的なファンになってもらうことがコンテンツマーケティングです。
顧客にとって有益な情報は何なのか、顧客が何に困っていて何を求めているのかを考え逆算してコンテンツを届けるので、顕在顧客だけではなく潜在顧客の獲得にもつながります。
コンテンツマーケティングの手法や事例を活用し、新規顧客の開拓から優良顧客への育成につなげていきましょう。
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