マーケティング職は「売れる仕組みを作る」仕事
マーケティングとは、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」と1990年に日本マーケティング協会が定義しています。つまりマーケティングとは簡単にいうと「顧客を理解し様々な方法で売れる仕組みを作る」と表現できます。
マーケティングというと「市場調査をする部署」というイメージをお持ちになる方がいるかもしれませんが、調査分析だけでなく営業・企画・宣伝・顧客対応など「売れる仕組みを作る」すべての職種がマーケティングに通ずるといっても過言ではありません。
企業によってはマーケティング部が存在していることがほとんどですが、それ以外の部署でもマーケティングに関わる業務は多いのです。
マーケティング職に必須の資格はない
前述したようにマーケティングに関わる仕事は多岐にわたり、会社によって部署によっても具体的な業務は異なってきます。なので「この資格を持っていればマーケティングの仕事ができる」という必須の資格はないのです。実際たくさんのマーケティング職に携わる人たちが、明確なマーケティング関連の資格を保有しているわけではありません。
またどのように「売れる仕組みを作るか」が問われるマーケティングにおいて、その手法や顧客とのタッチポイント、媒介するメディアによって変わります。テレビや雑誌といったマスメディアの広告に出稿するのか、ソーシャルメディアの広告に出稿してECで売り上げを作るのかなど、取り扱う商品やサービス・業種によっても必要な知識や経験は異なります。
マーケティング未経験でも転職するには
「マーケティングの仕事が全く未経験」という方は、転職前に今務めている企業でマーケティングに関する部署に異動して、少しでも実務経験を積んでおくと転職しやすいのは確かです。
日々トレンドや手法が変わるマーケティング職では、前職の実務経験の有無が転職時に重要視されます。一からマーケティングの基礎を教えないといけない未経験者よりも、実務によって経験が研ぎ澄まされた人材のほうが即戦力として期待できるためです。
自社のWebサイトやソーシャルメディア運用、コンテンツマーケティング、顧客や購買データ分析などWebマーケティングやデジタルマーケティング全般に関する部署は、近年どの企業でも人手が足りないことが多いです。社内公募などチャンスがあれば、応募してみると大きなスキルアップにつながります。
Webマーケティングのスクールもおすすめ
もしマーケティング未経験かつ社内異動も難しそうな場合は、人材不足となり求職者有利のWebマーケティング関連のスクールへの受講も検討してみると良いでしょう。
Webマーケティングに関する基礎知識から応用編、実際に実務を想定した企画やキャンペーンの立案や実行など、スクールで学べることは多岐にわたります。
またスクールやプログラムの修了・卒業後に就職や転職のサポート行っているスクールも多いため、転職を有利に進める上では受講料を支払ってでも効率的な自己投資にもなります。
マーケティングに強い転職エージェントに登録
マーケティング職で転職しようと思ったら、転職エージェントに登録してみましょう。求人情報が閲覧できるだけの単なる転職サイトではなく、転職エージェントに登録できるものがおすすめです。
リクナビ・マイナビ・duda・パソナといった大手の総合型エージェントにはマーケティングに強いキャリアアドバイザーが豊富に存在します。「デジタルマーケティングに強い」などマーケティングの職種によっては専門のものに登録するのも良いでしょう。
転職エージェントのメリット
転職エージェントのメリットは、キャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントと呼ばれる専門の担当者が転職のサポートを全面的に行ってくれることにあります。
履歴書・職務経歴書の添削から業界や企業の情報共有、求人案件の紹介と応募、面接スケジュールの日程や質疑応答対策、内定承諾から条件交渉まで転職に関わるありとあらゆる作業を代行してくれます。
転職エージェントは求職者が転職して一定の期間が過ぎると、入社した企業側から報酬が支払われるので求職者側は無料で利用できます。
「マーケティング職で転職を考えている」「営業経験を活かしてより商品企画に関わるマーケティングの仕事がしたい」など転職の志望動機を伝えれば、知見のある担当者がキャリアアドバイザーとして応じてくれるので、安心して任せられます。
転職エージェントは複数利用して効率的に
転職エージェントはひとつだけでなく、複数利用することでより効率的に進められます。エージェントによって保有している求人数や種類は異なり、非公開求人案件も多いため２、３エージェントには登録して最初のカウンセリングを受けると良いでしょう。
ただし同じ企業の同じポジションには同時に応募できないため、エージェントを経由して応募した状況は必ず把握しておきましょう。
転職するにあたり整理しておくべきこと
転職は学歴や職務経歴だけで容易に進むものでもありません。面接官にしっかりと自分の意志を伝えることは必須となります。下記は面接でよく問われる質問です。
・自己紹介とこれまでの職務経歴
・なぜその会社とポジションに応募しようと思ったのか（志望動機）
・その会社で成し遂げたいことは何か
・なぜ現職を辞めようと思ったのか（転職理由）
・企業や面接官への質問はあるか
それぞれの企業ごとに、信頼性があり納得感のある回答を用意しておきましょう。どのように回答するべきなのか迷ってしまう場合は、エージェントに相談すると印象のよい回答を一緒に考えてもらえます。
職務経歴書と履歴書は早めに作っておく
どんな職種であれ、求人への応募時には職務経歴書と履歴書が必要です。「いつか転職するときに作ろう」と後回しにするのではなく、余裕をもって早めに作成しておきましょう。
過去の実績は「前年比110％を達成」「6人のチームマネジメントを行う」など具体的な数字を入れて規模をわかりやすくします。
早めに書類を用意しておくことで転職エージェントとのやりとりもスムーズになり、希望に近い求人案件が急に紹介された場合にも応募しやすくなります。
現職を円満に退職する準備も整える
新しい転職先が決まってから、現職の上司に退職する旨を伝えます。退職まで一カ月以上前に伝えるのが一般的ですが、担当しているプロジェクトの終了まで時間がかかっていたり引継ぎ相手がいない場合などはさらに期間に余裕を持つと良いでしょう。
退職前に引継ぎ書を作成したり、取引先に新しい担当を紹介したりするなど、円満に退職できるように準備を整えます。有給休暇の日数が残っている場合も、上司と相談して最終出社日と退職日を決めます。
希望のマーケティング職への転職を成功させよう
人生にとって大きな決断と分かれ道になる転職。希望のマーケティング職でスキルアップやキャリアアップをしたいと考えている人は、妥協することのない決断ができるように転職理由や企業への志望動機を明確にしておきましょう。
希望の職種に実務経験や足りない場合は社内異動のほか、マーケティングが学べるスクールで実績を作る方法もあります。転職エージェントに相談することでより客観的に転職市場における自分の価値がわかるようになります。希望のマーケティング職に就けるようにしっかりと準備しましょう。
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