KPIマネジメントとは?KPI設定方法や事例を解説

KPIマネジメントとは?KPI設定方法や事例を解説

KPIとは

KPIとは英語で「Key Performance Indicator」を略したものです。日本語では「重要業績評価指標」を意味します。簡単に言うと、「目標達成するための活動指標」です。主観的であいまいな指標ではなく、具体的な数値データで測定でき客観的にも評価できるものを設定します。

KGIとは英語で「Key Goal Indicator」を略したものです。日本語では「重要目標達成指標」を意味します。イメージしやすい言葉にすると「最終的な経営目標」です。KGIもKPIと同じように、具体的な数字で客観的に評価できるもので設定されます。

KGIとは

KGIとは英語で「Key Goal Indicator」を略したものです。日本語では「重要目標達成指標」を意味します。イメージしやすい言葉にすると「最終的な経営目標」です。KGIもKPIと同じように、具体的な数字で客観的に評価できるもので設定されます。

KPIとKGIを混同しないように

KPIはKGIを達成するための中間指標となります。順番としては先にKGIを決めてからKPIを設定し、さらに具体的なアクションに落とし込んでいきます。

KPIとKGIを混同したり、KGIが後付けになったりしてしまわないようにしましょう。つまりKGIは最終的なゴールで、KPIはそのゴールに到達するまでの具体的な達成度(指標)を表します。

KPIマネジメントとは?

KPIマネジメントとは、KPIを設定してその達成状況を計測して分析し、定量的に数値で評価する目標管理のフレームワークです。

事業状況をみてKPIを設定する
 ↓
KPIに準じて業務を行う
 ↓
定期的にKPIを測定
 ↓
KPIを検証し必要に応じて調整

これらの一連の流れがKPIマネジメントの一般的な流れです。設定と計測だけではなくしっかりとレビューを行い改善につなげます。

フォレスト出版から2018年6月に出版された『最高の結果を出すKPIマネジメント』はリクルートにて長年KPI講師として従事していた中尾 隆一郎さんによる、KPIマネジメントの手法をまとめた人気の書籍です。

KPIのほかに利用される指標

KPIマネジメントではKPIやKGI以外にも、考慮するべき指標があります。

「KSF」はKGIとKPIの間に入るもの

KPIやKGIと似た言葉に、KSF「Key Success Factor」があります。日本語では「重要成功要因」を意味し、事業を成功させるために必要な要因を指します。KGIとKPIの間をつなぐように考えるとわかりやすいです。

KSFは外部要因と内部要因を整理して考えます。外部要因とは業界や市場の動向、競合企業の参入や撤退などがあげられます。内部要因とは、KGI達成に必要な要因や自社の強みなどです。外部要因と内部要因をしっかりと区別し、外部要因に備えて内部で準備していきます。

KSFと同じような意味でCSF「Critical Success Factor」も使われます。どちらもビジネス成功の重要な要因を示します。

定性的な指標「OKR」とは

KPIと同じように使われる目標設定のフレームワークとして、「OKR」があります。OKRとは「Objectives and Key Results」の略称で、日本語で「達成すべき目標と達成のための主要な成果」を意味します。

KPIは部署ごとで細かく設定されることもありますが、OKRは会社全体で取り組むべきものとなることが一般的です。さらにKPIは必ず定量的であるのに対し、OKRは定量的のみならず定性的でも成り立ち、社員のモチベーション維持などにも利用されます。Google社やFacebook社が採用しています。

KPIマネジメントの事例

各部門のKPIマネジメントで使われる指標は下記のようなものがあります。

営業部門でよく使われるKPI

・訪問件数
・見込み件数
・見積書送付件数
・(平均)受注金額
・受注率
・継続率 など

売り上げだけではなく顧客との接触回数や、その後の継続率もKPIに入れることでLTVを最大化したKPIマネジメントが行えます。

デジタルマーケティング部門でよく使われるKPI

・セッション数
・PV(ページビュー)数
・UU(ユーザー)数
・CVR(コンバージョン率)
・CTR(クリック率)
・回遊率
・離脱率 
・再訪率 
・メールマガジン開封数 など

デジタルマーケティングにおいては顧客行動を計測できるため、KPIも多くなりがちです。事業の目標と重要な成功要因を理解し、ぴったり合ったKPIを設定できるようにしましょう。

KPIの設定方法

それではKPIを設定するための方法や注意点についても確認しておきましょう。

KPIを設定するために大切な「SMART」

KPIを設定する方法としてよく用いられる「SMART(スマート)」というKPI設定モデルがあります。それぞれの英単語の頭文字をとってこのように呼ばれます。

「SMART」の条件

・Specific(具体的である)
・Measurable(計測可能である)
・Achievable(達成可能である)
・Relevant(関連している)
・Time-bounded(期限が定められている)

上記の「SMART」に該当しない例として、「抽象的で計測できない」「目標が高すぎて実現できそうにもない」「KGIに関連しない」「期間があいまい」などがあげられます。これらはKPIマネジメントの陥りやすい典型的な例です。

「SMART」に該当しないKPIは設定してしまうと、その後のKPI管理が大変難しくKGI達成のために意味を持たないものになってしまいます。「SMART」モデルはKPI設定の際にはルールとして、必ず確認して適切なものを導きましょう。

KPIは関わる人すべてが認識できるものに

KPIは企業や組織に関わる個人個人によって、バラつきやブレが発生する指標にならないように注意しましょう。KPIの数値はどこから導かれるものなのか、何を意味しているのかも明確にします。

KPIツリーとは

KPIマネジメントにおいて、「KPIツリー」を一緒に作成する方法もあります。KPIツリーとは、KGI達成に必要な要素であるKPIを段階的にロジックツリー(木)の枝葉のように設置した図のことです。それぞれの枝葉の末端にあるKPIから達成していくことで、中間のKPIや根源となる最終目標のKGI達成を目指します。

KPIツリーはKGIとKPI、大きなKPIとそれぞれに紐づく細かなKPIの関連性を明確にすることができます。ただし追う必要のないような細かいKPIをたくさん洗い出して、管理できなくなってしまわないようにしましょう。

KPIをもとに確実にPDCAをまわす

KPIがうまく定まったとしても、そのまま放置していてはKPIマネジメントとは言えません。KPIマネジメントは目標達成度を誰が見てもわかるようにし、継続的な改善を導くものです。よく使われる「PDCAサイクル」などを活用して、継続的に目標達成のために取り組んでいきましょう。

PDCAサイクル
・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)

一連のPDCAサイクルを継続的に回していくことで、少しずつ自社のノウハウや知見を見つけ仮説に基づく課題解決と改善を行っていきます。

KPIマネジメントを通して目標達成を

この記事ではKPIマネジメントの考え方や設定方法、事例について紹介しました。

KPIマネジメントとは、KPIを設定してその達成状況を計測して分析し、定量的に数値で評価する目標管理のフレームワークです。KPIを設定しただけで終わらず、業務の遂行からKPIが適切なのかレビューを行い改善につなげていくことが重要です。

KPIマネジメントを通して事業や組織の目標達成を実現させていきましょう。

 

 

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