Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、企業や店舗の情報を無料で発信できるツールです。うまく使いこなせばコストをかけることなく高い集客効果が得られます。特徴や使い方を正しく知り、自社のアピールに役立てましょう。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)とは
Googleビジネスプロフィールとは、Google 検索やGoogle マップなどで自社のビジネス情報を表示し、写真を含めた各種投稿をしたり顧客から寄せられた口コミに反応したりできるサービスです。完全無料で利用できる集客ツールとして、特に来店型のビジネスをしている企業や事業主から注目されています。
名称が変更
Googleビジネスプロフィールは、もともと「Googleマイビジネス」という名称でした。2021年11月4日に名称が変更したことに伴い、Google検索やGoogleマップアプリからビジネス情報を直接申請できるようになりました。営業時間の変更や口コミの管理がより簡単にできるようになり、ますます使いやすくなっています。
Google マップの市場規模と役割
Googleマイビジネスは、Googleマップの利用と強く結びついています。
最寄りの店舗をすぐに検索でき道案内までしてくれるGoogleマップの市場は、現在どの程度の規模なのでしょうか。日本だけではなく世界に目を向けながらGoogleビジネスプロフィールの有用性を確認していきましょう。
Google マップの1ヵ月あたりの利用者数
GMOTECH(ジーエムオーテック)が2021年に実施した「Googleマップ及びGoogleマイビジネス利用状況の実態調査」によると、Googleマップの利用率は83.1%でした。また、「ニールセン デジタルコンテンツ視聴率(Nielsen Digital Content Ratings)」をもとにした数値でのGoogleマップの利用者数は、月間約4,717万人(2020年5月時点)と他の地図アプリと比べても圧倒的なシェアを誇っています。
地図アプリの利用率
GMOTECHの調査項目のうち「地図アプリと聞いて、どのアプリが一番に思い浮かぶか?」という質問の回答を見ると1位は「Googleマップ」の81%でした。2位のYahoo地図の14.4%を大きく引き離す結果です。また他の質問の回答から68.2%のユーザーがGoogleマップのアプリをスマートフォンにダウンロードしており、40.3%の人が週1回Googleマップを使っていることがうかがえます。
ローカルビジネスの効果
Googleマップは、今自分がいる現在地の近隣の情報を検索できるローカル検索機能に優れているのが特徴です。2021年11月にローカル検索機能がアップデートされ、検索位置からの近さをより重要視するように変更が加わっています。
また、Googleマップで上位表示されるための施策「Map Engine Optimization(地図検索エンジン最適化):通称MEO」はローカルSEOとも呼ばれ、年々その市場は拡大しています。2020年の市場規模は約80億円ですが、2025年には約2.5倍の202億円規模まで成長する見込みといわれています。今後WEB集客を行う際にMEOは、欠かせない施策の一つとなるでしょう。
グローバル対応とインバウンド効果
海外では、日本以上にGoogleマップ検索を多用する傾向があります。Googleビジネスプロフィールは、Google翻訳と連動して多言語対応も可能なため、在日の外国人客やインバウンド向けの施策としても非常に有効です。
飲食店の探し方の変化
Googleビジネスプロフィールは、2018年に飲食店情報サイト大手「ぐるなび」と提携してマップの検索結果から直接予約できる機能が追加されました。地域名とキーワードを使って飲食店などをGoogleマップ検索する顧客は、「今すぐ客」の割合が多い傾向です。そのため即来店につながりやすいメリットがあります。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の登録方法
Googleビジネスプロフィールで自社の店舗やオフィスを登録するためには、次の手順で登録を進めましょう。
- Google マップで自分のビジネスを検索・追加する
- 「このビジネスを所有または管理しています」を選び、ビジネスオーナー登録を行う
この2ステップでビジネスプロフィール登録は完了です。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の利用方法
Googleビジネスプロフィールの登録が終わったら、次はさまざまなビジネス情報を追加し、自社の魅力が顧客に伝わるように整えていきましょう。
ビジネス情報登録
Google検索やGoogleマップ上に表示する店舗情報です。営業時間や業務内容など10個程度の項目をすべて埋めていきましょう。
ウェブサイト作成
ビジネス情報を登録していくと「Webサイト」という項目がありますが、通常ホームページのアドレスを記入します。もしホームページを持っていない場合は、Googleビジネスプロフィールで簡易的なサイトを無料で作れるため、この機会に作成しておくとよいでしょう。
写真追加
メニューの中から「写真」を選択すると、例えばお店の外観写真や店内のインテリアなどを画像で表示できます。飲食店であればおすすめのメニュー画像を表示してもよいでしょう。
新しい地域の追加
例えば遠方に出張対応できるようなサービスを提供している場合、所在地から離れた人にも自社のアピールができるように「新しい地域の追加」を活用することが大切です。客先に出向くタイプや商品を配送して届けるタイプの非店舗型ビジネスを運営している場合は、忘れずに対応エリアを設定しておきます。
広告
Googleビジネスプロフィールは、Google広告と連携すると所在地のアドレスや地図、電話番号などを広告と合わせて表示できます。広告表示オプションから設定できるため、Google広告を使っている場合はぜひビジネスプロフィールも確認しておきましょう。
Google マップ上での上位表示の方法
Googleマップ上で自社を上位表示させるためには、以下の4点をまず行います。
- 自社のビジネス情報をすべて記入する
- お客様に口コミ投稿をしてもらえるように工夫する
- 口コミが投稿されたらこまめに返信する
- SNSと連動させて、発信を強化し、知名度を高める
MEO対策を行っているプロの業者に委託する方法もありますが、これらを丁寧に行うだけでも表示が上がりやすくなります。お金をかけずにできるため、ぜひ試してみましょう。
Google マップ上のランキングの仕組み
Googleマップのランキングを決定づけているのは「関連性」「距離」「知名度」の3要素です。
- 関連性:検索したキーワードとローカル検索の内容がどのくらい一致しているか
- 距離:検索した場所からどのくらいの距離なのか
- 知名度:どのくらい自社の名前が知られているのか
知名度は、例えば飲食店なら食べログやホットペッパーなどのポータルサイトに掲載されていたり、ブログやSNSで紹介されていたりするとGoogleから知名度が高いと判断される傾向です。
ただし、Googleのアルゴリズムが変更されるとまたランキングの基準が変わる可能性もあるため、MEOの最新情報を定期的にチェックすることが重要です。
Google マップの「ビジネス情報の更新」とは
Googleマップの情報は、ビジネスオーナーが入力した内容以外にもGoogleがネット上から拾い集めてきた各種情報も定期的に更新されています。また閲覧したユーザーが申告した情報も更新対象です。
これは便利な機能ですが、定期的にチェックしておかないと誤った情報に更新されるリスクもあります。例えば通常営業をしているのに「休業中」「閉業扱い」として更新されてしまえば、機会損失にもつながりかねません。
ビジネスプロフィールが更新されると通知がメールで届くため、更新個所については必ずチェックするようにしましょう。
Googleビジネスプロフィール(Google マイビジネス)で使える7機能
Googleビジネスプロフィールには、以下のような7つの機能があります。それぞれをうまく使いこなしてビジネスプロフィールの集客・宣伝効果を高めましょう。
投稿
Googleビジネスプロフィールでは、次の5種類の投稿を行うことができます。
- 特典の追加:セールやキャンペーンなどをお知らせする
- 商品の追加:新商品や季節限定商品などを告知する
- 最新情報の追加:各種お知らせを発信する
- イベントの追加:何かのイベント開催や臨時休業など
- COVID-19の最新情報:新型コロナウイルス関係の情報
場合によっては、食べログなどの投稿と連動させてもよいでしょう。こまめに更新することで、MEO対策もできます。
情報
先述した自社のビジネス情報です。例えば休業日の変更など情報が変わった場合は、必ず更新しておきましょう。
インサイト
「お客様が自社をどんなキーワードで検索したのか」「どんなアクションを起こしたのか」などを調べることができます。写真の閲覧回数や枚数を競合他社と比較することもできるため、データをもとにMEOの改善が期待できるでしょう。
口コミ・メッセージ
Googleビジネスプロフィールには、お客様から寄せられる口コミ機能やLINEなどのようにメッセージをやり取りする機能もついています。メッセージのやり取りは、Googleマイビジネスのアプリを使うほうが便利なので、スマートフォンやタブレットにあらかじめインストールしておきましょう。
写真・動画
Googleビジネスプロフィールには、写真だけではなく動画も投稿可能です。最大30秒の動画のほか、360度パノラマのストリートビューも表示できます。写真や動画はそれぞれ、決められたサイズや容量制限があるため、アップする前に規約を確認しておきましょう。
商品
自社の商品について商品画像や価格、説明文などをアップできます。そのまま購入ボタンをクリックして顧客が注文もできるため、例えば通販対応の商品などを登録しておけば販促効果も期待できるでしょう。
ウェブサイト
自社ホームページにリンクを貼るほか簡易サイトを作ることができます。デザインのパターンは10種類程度しかありませんが費用がかからないため、一時的なホームページとして使えるでしょう。ちなみに簡易サイトは、Googleで購入した独自ドメインの設定も可能です。
Googleビジネスプロフィール(旧Google マイビジネス)の表示ランクを高めるには
ここまでにもGoogleビジネスプロフィールの上位表示の方法を紹介してきましたが、あらためて自社ですぐに取り組めるMEOのポイントを解説します。
ビジネス情報を充実させる
自社のビジネス情報は、全項目を丁寧に埋めることが必要です。ローカル検索との「関連性」を左右する部分になるため、キーワードを意識しながら書くとよいでしょう。
適切な対応を常に心がける
顧客からの口コミやメッセージには、誠実に対応しましょう。低評価に対しても改善のための材料として前向きな姿勢を見せることで顧客に好印象を与えられます。もちろん高評価へのお礼も忘れずに行うことが大切です。
情報を定期的に更新する
例えば新商品の入荷や季節限定商品のお知らせ、休業情報など新しい情報があればこまめに投稿し更新していきます。経営者やスタッフの人柄などを伝えるコンテンツも有効です。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は便利な宣伝ツール
Googleビジネスプロフィールは、今後ますます検索の需要が高まっていく集客ツールです。国内はもちろんインバウンド向けの対策としても効果が期待できるため、まだ取り組んでいない人はぜひこの機会に自社のプロフィールを作成することをおすすめします。
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