動画マーケティングとは?メリットや目的別の進め方、成功のコツ

動画マーケティングとは?メリットや目的別の進め方、成功のコツ

動画マーケティングとは?

動画を使ったマーケティングは「動画マーケティング」と呼ばれ、近年注目されています。動画というとYouTubeに投稿するイメージがあるかもしれませんが、SNSに載せる短めの動画やオウンドメディアの記事内に埋め込む動画など、さまざまなタイプがあります。

 動画マーケティングが注目される理由

動画マーケティングが注目されるようになった理由には、「YouTuberの台頭」「データ通信量の増加」など、さまざまなものがあります。

YouTuberの台頭により、(テレビと違って)時間に縛られずに、より多くの選択肢の中から、好みの動画を観られるようになりました。スマートフォンのデータ通信量は増え続け、今や無制限のものまであります。自宅でも外出先でも、好きなだけ動画が観られるのです。

このような社会の変化により、人々はより長い時間、動画を観るようになりました。インターネットの利用動向を調査する「ニールセン デジタル株式会社」によると、2015年から2019年にかけて、全世帯の動画視聴時間は4倍にもなったといいます。


出典:全世代でスマートフォンがネット利用のメインデバイスに~ニールセン 2019年上半期のデジタルメディアの利用動向をまとめた「Digital Trends 2019上半期」を発表~

動画にはテキストコンテンツにはないメリットも多いです。動画を観ることのハードルが下がった現代において、マーケティングに動画を使わないことは不自然とすらいえるでしょう。

動画マーケティングのメリット

動画にはテキストコンテンツにはない、次のようなメリットがあります。すべてのコンテンツを動画にすればいいわけではありませんが、目的によってはテキストコンテンツよりも動画コンテンツの方が有効に働くでしょう。

【動画マーケティングのメリット】
・短時間でより多くの情報を伝えられる(テキストの約5,000倍の情報量)
・感覚的なニュアンスや、商品の質感を伝えやすい
・記憶への定着率が高い(テキストの約2倍)
・テキストでは伝えづらい「操作」や「動き」を伝えられる

動画マーケティングのデメリット

動画マーケティングを使えば、ユーザーに対してより多くの情報を、短時間で届けられます。テキストでは伝わりづらい感覚的なニュアンスや、画像では伝わりにくい商品の質感も伝えやすいのも、業種や目的によっては大きなメリットです。

ただ、動画コンテンツを作るにはコストがかかります。テキストコンテンツなら、記事を書いた後にちょっとした編集を加えるだけで、ほぼ公開できる状態になります。テキストの装飾や画像選定なども必要ですが、動画編集に比べれば労力はほとんどかかりません。

一方、動画は撮影するだけでも「カメラマン」「演者」「ディレクター」などの各人員が一ヵ所に集まらなければなりません。撮影前のシナリオ作りだけでも、テキストコンテンツの作成とほぼ同じ時間がかかりますし、編集の手間はテキストの何倍にもなります。

かかる手間と時間を考えると、情報発信のベースはテキストコンテンツとし、文字で伝えづらい内容を動画コンテンツにするのがおすすめです。

【目的別】動画マーケティングの方法

オウンドメディアを使ったマーケティングと同じで、動画マーケティングにも「認知拡大」や「顧客の育成」など、さまざまな目的があります。どんな動画を作り、どのチャネルで公開すべきかは、目的により異なります。

動画マーケティングの方法を3つの目的別に紹介するので、自社にとって優先度の高いことからはじめてみてください。

【目的別の動画マーケティングの方法】
・認知拡大を狙う場合
・ファン獲得やブランディングが目的の場合
・購入や成約、問い合わせが目的の場合

 認知拡大を狙う場合

認知拡大を狙う場合は、短めの動画をSNSやYouTubeに投稿するのがおすすめです。特にSNSでは一度ではなく、定期的に動画を投稿し直し、人目に触れる機会を増やしましょう。Twitterならリツイート機能を使うのがおすすめです。

目的はあくまで認知拡大、つまり自社やブランドを知ってもらうことです。興味のあるカテゴリなら別として、長い動画は再生するのも面倒に感じられてしまういます。再生時間は短く、インパクトの残る動画を作りましょう。

チャネルごとの「抵抗なく再生できる尺」「エンゲージメントを獲得しやすい尺」は、次の表を参考にしてください。

YouTube2分ほど
Twitter40秒ほど
Facebook1分ほど
Instagram30秒ほど

 ファン獲得やブランディングが目的の場合

ファン獲得やブランディングを目的とした動画は、何よりも「コンセプト」を明確にしましょう。動画を作る前に、その動画で紹介するブランドや自社の「イメージ」をハッキリさせるのです。

コンセプトを決めたら、それを表すための「ストーリー」を考えましょう。ストーリーなしでコンセプトを伝えようとしても、広告や宣伝の雰囲気が強くなってしまいます。

ここでの目的は商品やサービスを売ることではなく、イメージを浸透させることです。商品の詳細や価格のことは排除して、どんな人たちに向けたブランドなのか、どんな理念でブランドを立ち上げたのかを伝えることに集中しましょう。

 購入や成約、問い合わせが目的の場合

購入や成約、問い合わせを目的に動画を作るなら、顧客のニーズを知り、そこに訴えかけることが大切です。オウンドメディアでコンテンツマーケティングをしたり、SEOを強化したりするのと近いイメージです。

例えば「確定申告 流れ」で検索するユーザーは、はじめて確定申告をする人や、やり方を忘れてしまって困っている人だと考えられます。この場合、「確定申告のやり方がわからない」という悩みを解決する流れの中で、自社の会計ソフトやサービスを紹介しましょう。

動画マーケティングを成功させるコツ

動画マーケティングは、テキストコンテンツを使ったマーケティングよりも時間がかかります。施策そのものにも、分析にも時間がかかるため、目的をしっかり定めて、それに合った方法を取らなければなりません。

なるべく短期間で動画マーケティングを成功させるにはどうすればいいのか、5つのコツを紹介します。

【動画マーケティングを成功させるコツ】
・まずは目的をハッキリさせる
・目的に合った配信媒体を決める
・動画制作の方法を決める
・SNSやオウンドメディアも併用する
・PDCAサイクルを回す

 まずは目的をハッキリさせる

動画マーケティングを成功させる1つ目のコツは、「目的をハッキリさせる」ことです。認知拡大やブランディング、販売促進など、目的によってどんな動画を作るべきかは変わってきます。次の表を参考に、まずは目的と、作るべき動画のタイプを考えてみましょう。

認知拡大短時間でインパクトに残る動画
ブランディング

ブランドのコンセプトを伝える

ストーリー性の高い動画

販売促進

ユーザーのニーズを満たす

解説系や商品紹介系の動画

目的ごとにどんな動画を作ればいいのか、詳しくおさらいしたい方は、本記事の「【目的別】動画マーケティングの方法」を参照してください。

 目的に合った配信媒体を決める

動画マーケティングの目的を決めたら、それに合った「配信媒体」を考えましょう。認知拡大が目的ならTwitterやFacebookなどのSNSが有効です。テキストでは伝えづらいことをわかりやすく伝えるための動画なら、オウンドメディアに埋め込むのもいいでしょう。

いずれの場合も、YouTubeの公式チャンネルを作り、そこにも動画を投稿していくべきです。YouTubeに投稿した動画はSNSやオウンドメディアにもそのまま埋め込めます。

 動画制作の方法を決める

動画の目的や配信媒体が決まったら、いよいよ制作に入ります。ただ、その前に「動画の制作方法」を決めなれければなりません。自社で動画を作るのか、制作会社に依頼するのかです。

制作会社に依頼すると費用はかかりますが、高品質な動画を、短期間で作ってもらえるでしょう。自社で作る時間と労力を考えたら、制作会社に依頼した方が費用対効果も高いかもしれません。

ただ、動画を中心にマーケティングを展開していくつもりなら、自社に動画製作のノウハウを蓄積すべきです。制作会社に任せきりにするのではなく、作業の一部を委託できるものや、コンサルティングのようなサービスを選ぶといいでしょう。

 SNSやオウンドメディアも併用する

動画を最大限に活かすには、SNSやオウンドメディアとの併用が不可欠です。YouTubeの概要欄にオウンドメディアのURLを貼り、動画後半では「詳しく知りたい方は、概要欄からWebサイトをチェックしてみてください」と宣伝します。

基本的には「動画もSNSも、オウンドメディアに誘導するためのもの」と認識しておきましょう。動画を投稿したら公式SNSアカウントで宣伝し、動画ではオウンドメディアの宣伝をするのが基本です。

 PDCAサイクルを回す

動画に限らず、マーケティングではPDCAサイクルを回すことが重要です。施策の効果を検証し、課題を見つけ、改善するのです。

SNSではインプレッション数や動画の再生数がわかります。これらに加え、YouTubeでは平均再生時間や動画への流入経路、視聴者層などを詳しく確認できます。

届けたい層に動画を届けられているのか、どのシーンでの離脱が多いのかを分析し、次に活かしましょう。

マーケティングの目的に応じて、動画とテキストを使い分けよう

ユーザー目線で考えると、動画を観る方がテキストを読むよりも楽に感じるかもしれません。しかし、気になることをちょっと確認するだけなら、テキストを拾い読みした方が早いでしょう。「これからは動画の時代」といわれて久しいですが、テキストコンテンツが不要になることはありません。

テキストにも動画にも、それぞれメリット・デメリットがあります。目的やターゲットに応じて、それぞれのコンテンツを使い分けましょう。

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