LTVとは?意味やマーケティングでの活用方法を解説

LTVとは?意味やマーケティングでの活用方法を解説

LTV(Life Time Value)とは?

LTVとは英語のLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略で、「顧客生涯価値」を意味します。つまりユーザーひとりあたりの生涯収益を表し、短期的なものではなく継続した長期的な価値となります。CLVやCLTV(Customer Lifetime Value)またはLCV(Lifetime Customer Value)とも呼ばれます。

製品やサービスと顧客の間における継続した関係の、始めから終わりまでの顧客ライフサイクル期間の中で発生する純利益をLTVとして予想します。

一人のユーザーのライフタイム、つまり「ゆりかごから墓場まで」の一生の生涯を狙ってマーケティングを行うという意味ではありません。あくまで製品やサービスの特性によってその期間は異なります。

LTVを予測して経営や戦略判断に活用しよう

コスメECサイトを例にすると、原価が高くて利益率の低い初回1,000円のスキンケアトライアルキットを訴求し、広告出稿してようやく新規ユーザーを獲得しただけでは、事業継続のための利益確保は難しくなるかもしれません。マーケティング予算の確保も躊躇される可能性があります。

しかしそのユーザーに何度もリピートしてもらえたり、定期購入に登録してもらい毎月化粧水が購入されたり、といった実績になれば、LTVは大きくなります。初期の顧客獲得時に利益が十分に取れなくても、長期的な顧客との関係を築いてLTVを高めていくのです。

単に新規顧客獲得コストなど短期的な予測だけでなく、LTVを試算してマーケティングの目標や予算を設定していきます。LTVの試算がうまくいくことで、事業開発や広告などの投資に対して利益につなげられているかなど、経営やマーケティング戦略などの判断や意思決定が行いやすくなります。

LTVの計算方法

LTVの計算方法はいくつかありますが、シンプルなものだと「LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数」と考えられます。

粗利率や年間の購入頻度と継続年数を計算式に入れたものは下記の通りです。

「LTV=平均購入単価×粗利率×平均年間購入頻度×平均継続年数」

具体的にあるオンラインショップを例にすると下記の通りです。

「平均購入単価3,000円×粗利率50%×平均年間購入頻度6回×3年=27,000円」

どちらも一度の平均購入単価だけでなく、平均購入回数が重要となるのがわかります。いかに次回リピートさせるかがLTVで大きく影響するのです。

近年拡大した定期購入モデル(サブスクリプションモデル)はこの平均購入回数の予測精度を上げ、LTV向上に大きく貢献しています。登録しているユーザーデータが蓄積されていくので購入単価や購入頻度、期間などの予測が立てやすく、離脱するタイミングや解約ユーザー属性などマーケティングの課題点を検知しやすくしてくれるためです。

「1:5の法則」と「5:25の法則」

マーケティング用語で「1:5の法則」と「5:25の法則」というものがあります。

「1:5の法則」は、新規顧客を獲得して商品購入をしてもらうコストは、既存顧客が購入するコストの5倍かかるという法則です。

また「5:25の法則」の法則は、顧客の離反を5%改善すれば、最低でも利益率が25%改善されるという法則です。

これらの法則からもいえることは、新規顧客をやみくもに獲得するよりも既存顧客の離反を防いで再度購入してもらうほうが低コストで利益率を向上することができるということです。

売り上げを伸ばすためにどうしても新規顧客を獲得するマーケティング施策に目が向きがちですが、何度もリピートしてくれるロイヤリティの高い優良顧客を育てる施策が重要であるとわかります。

少子高齢化社会となる日本において人口が縮小している背景も、LTVが注目されている理由のひとつなのです。新規顧客を狙い続けていても、人口が少なくなる現代社会において頭打ちになってしまうためです。

LTVを高めるためには

LTVを高める施策では継続して購入してもらう以外にも、購入単価をあげるためにアップセルやクロスセルが考えられます。

アップセル

アップセルとは、商品やサービスそのものの単価を上げたり、より高品質や大容量といった上位レベルの商品への移行を促したりすることです。

コスメECサイトを例にすると、最初はトライアル商品を購入して単価の低いベーシックラインを継続購入していた顧客も、継続購入することで商品やブランドへのイメージが向上し信頼感が得られると、「同じブランドのプレミアムラインを買ってみよう」という動機となります。

プレミアムラインに移行した結果として顧客の支払う単価が上がり、新規顧客を獲得するよりもはるかに低コストでLTVに貢献します。

クロスセル

クロスセルとは、商品やサービスに関連した別の商品やセットでの購入を促すことです。こちらもコスメECサイトの例に例えると、スキンケア商品に関連して化粧下地やメイクアップ商品、サプリメントや健康食品などをユーザーのニーズに関連付けて同時に提案、販売することです。

すでに顧客属性や行動特性、商品やブランドに求めるニーズを理解しているからこそ、それぞれの顧客にあわせてクロスセルで追加の商品提案ができるメリットがあります。自社が持つデータを活かして顧客理解を深め、バスケット単価を上げていきます。

このようにクロスセルは購入単価を上げるだけでなく、購入頻度の促進や新たなニーズの開拓にもつながります。

LTVにはCRMが鍵

ここまで紹介した通り、アップセル・クロスセルどちらもCRM(Customer Relationship Management)=「顧客との関係性の維持」がLTV向上の鍵となります。

商品ページ内での関連商品のレコメンデーション、購入後のフォローメール、定期的なメールマガジン、次回購入時のクーポンやプレゼントなどの特典、リアル店舗での接客話法やダイレクトメールなど、タッチポイントはオンライン・オフラインどちらも活用されます。

CRM分析により既存顧客の属性からどんな商品やコミュニケーションがアップセル・クロスセルされやすいか、蓄積したデータをもとにPDCAを回して最適化していくこともできます。

MA(マーケティングオートメーション)ツールやシステムの導入などでCRMを自動化し、効率化をすすめていくことも検討してみてください。

LTVを予測して事業のさらなる成長を

LTVは「顧客生涯価値」を意味し、製品やサービスと顧客の間における継続した関係の、始めから終わりまでの顧客ライフサイクル期間の中で発生する純利益を示します。顧客ライフサイクルは商品やサービスの特性によって異なります。

LTVを正しく予測することでマーケティング戦略や経営判断の場において意思決定しやすくなり、獲得した新規顧客を継続顧客に育てるコストも把握しやすくなります。マーケティングの目標や予算設定にも貢献してくれます。

近年増加しているサブスクリプションモデルなどを通し顧客単価や購入回数を高め、LTVに貢献していく方法があります。事業のさらなる成長を担うLTVの考え方をぜひマーケティング戦略に導入してみてください。

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