DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは?メリットや進め方、必要スキルを解説

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは?メリットや進め方、必要スキルを解説

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは?

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)とは、Webサイトや広告、SNSなどの自社のマーケティングチャネルに反応したユーザーに、直接アプローチするマーケティング手法です。

インバウンド(消費者側からアプローチ)で見込み客を集め、アウトバウンド(企業側からのアプローチ)で育成や商談に持っていくようなイメージを持つと、その効果がわかりやすいかもしれません。問い合わせや返信(リプライ)をする確度の高い見込み客に、時間をかけたアプローチができます。

 従来的なマーケティングとの違い

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)と従来的なマーケティングとの違いは、やはり「効率よく、精度の高いアプローチができること」にあるでしょう。

例えばテレアポはリスト作りにさえ気をつければ、大勢の見込み客に直接的なアプローチができます。しかし、見込み客は「業界・業種や年齢、家族構成などの属性により見込みがある」といえる程度の確度であり、高精度とはいえません。現に、一部の優秀な人材を除き、テレアポのアポ率は1%未満といわれています。

LPやコンテンツマーケティングは広くアプローチできるため認知拡大には役に立ちますが、訪問者の確度はそう高くありません。ただ、ここから問い合わせや資料請求をしたユーザーの見込み度はそれなりに高く、その後のアプローチは成約に大きく影響します。

これらの課題を解決する、一歩踏み込んだ手法がDRMといえます。

 注目される背景

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は1920年ごろにアメリカで生まれ、日本には1990年ごろに入ってきました。歴史の深い手法ではありますが、日本ではまだまだ発展途上といえます。

DRMが日本に上陸したばかりの頃は、主に中小企業が取り入れていました。DM(ダイレクトメール)やテレアポとの相性も良く、リソースの限られる中小企業にとって費用対効果の高い手法だったのでしょう。

Webを使ったマーケティングの普及した現代は、DRMを取り入れやすい時代といえます。今やWebを主戦場とするIT企業だけでなく、メーカーや家電量販店など、さまざまな業界で取り入れられています。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)のメリット

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は、少ない費用で精度の高いアプローチができる手法です。DRMには、次のようなメリットがあるからです。

【DRMのメリット】
・確度の高いユーザーに効率よくアプローチできる
・確度の高いユーザーのリストを作れる
・ほかの施策と組み合わせやすく、費用対効果が高い

DRMでは、ユーザーからの反応を起点にアプローチする手法です。反応があるユーザーは何かしらの興味を持ったユーザーであり、反応がある時点である程度の確度が期待できます。

そのときは成約にいたらなくとも、一度は反応を示したユーザーに、継続的なアプローチをする価値はあります。継続アプローチをする価値のある、質の高いリストを「ついで感覚」で作れるのも大きなメリットです。

ユーザーからの反応を起点にするため、コンテンツマーケティングやメルマガなどの他手法との組み合わせが前提となります。1対1でアプローチする対象は限られますし、他手法の効果を最大化することにもなるため、費用対効果は高いです。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)のデメリット

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)のデメリットは、施策に時間がかかることでしょう。ユーザーからの反応を起点とするDRMでは、まずはそれなりの数のユーザーを集めなければなりません。

例えばコンテンツマーケティングやSNSでユーザーを集めるにしても、メディアの作成や運用に時間がかかります。

ただ、コンテンツマーケティングやSNSマーケティングにかけた時間は、無駄にはなりません。DRMはほかの手法と組み合わせる、他施策の効果を高めるためのものと考えれば、デメリットはそう気にならないでしょう。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の流れ

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は確度の高い見込み客を集め、育成する手法です。次のような流れを意識すると、費用対効果はより高くなるでしょう。

【DRMの流れ】
STEP1.見込み客の獲得(リードジェネレーション)
STEP2.見込み客の育成(リードナーチャリング)
STEP3.商品やサービスの販売
STEP4.ロイヤルカスタマーの育成

 STEP1.見込み客の獲得(リードジェネレーション)

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)をするなら、まずは問い合わせや返信(リプライ)などをしてくれる見込み客を獲得しなければなりません。この工程は、「リードジェネレーション」とも呼ばれます。

新しく見込み客を獲得するときは、テレマーケティングやコンテンツマーケティングが有効でしょう。特にコンテンツマーケティングは、一度オウンドメディアを作りこめば、そこから見込み客が発生し続ける手法です。

SNSやYouTubeなども活用しながら、まずは自社サイトへの流入を増やしましょう。流入(分母)が増えるほど、反応を示す見込み客(分子)も増えます。

 STEP2.見込み客の育成(リードナーチャリング)

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)のために、ある程度の見込み客を獲得したら、次は彼らを育成しましょう。この工程は、「リードナーチャリング」とも呼ばれます。

テレマーケティングなら電話やメールを介した継続的なアプローチが、コンテンツマーケティングなら自社サイトでの情報発信が、見込み客へのアプローチ兼育成になります。

知識レベルが高まり、自社の商品やサービスの必要性を感じた見込み客が、問い合わせや資料請求、商談の申し込みといった「反応」を示してくれるでしょう。

 STEP3.商品やサービスの販売

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)で見込み客からの反応があったら、商品やサービスを販売するチャンスです。

その見込み客のこれまでの行動や問い合わせ内容を見て、適切なアプローチをかけましょう。見込み客のタイプ・行動別にいくつかテンプレートを作る、ステップメールが効率的です。

 STEP4.ロイヤルカスタマーの育成

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を、一度の購入や契約で終わらせるのはもったいないです。購入や契約にいたった顧客にはコミュニケーションを継続し、ロイヤルカスタマーへと育てていきましょう。

DRMで獲得した顧客とは、初回の購入・契約をした時点で、ある程度の関係性が築けているはずです。顧客との関係構築は解約抑止にも、アップセルやクロスセルにも役立ちます。このような観点から考えれば、DRMで獲得した顧客は、契約時点で優良顧客といえます。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められるスキル

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)には、さまざまなスキルが求められます。

問い合わせや返信といった反応を示してくれる、分母となるユーザーを集めるには集客のスキルが必要です。見込み客がせっかく反応してくれても、適切なアプローチで返せなければ、DRMの効果は得られないでしょう。

DRMを取り入れるときは、最低でも次のようなスキルを持つ人材をそろえておきたいです。

【DRMに求められるスキル】
・SEO
・コピーライティング
・リストマーケティング
・各種分析スキル
・心理に関する知識

 SEO

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められる1つ目のスキルは、「SEO」です。SEOは「検索エンジン最適化」の略称で、GoogleやYahoo! JAPANなどで検索をしたときに、Webページを上位表示するスキルです。

コンテンツマーケティングの要ともいえるスキルで、DRMの第一段階である集客に欠かせません。

 コピーライティング

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められる2つ目のスキルは、「コピーライティング」です。広告や宣伝のための文章を書くスキルで、問い合わせや資料請求などに見込み客を誘導したり、反応を示したユーザーに適切なアプローチをしたりするために欠かせません。

コピーライティングというと難しく感じるかもしれませんが、まずは「ユーザーの心を動かし、行動を起こさせる文章」を書くスキルと捉えておきましょう。

 リストマーケティング

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められる3つ目のスキルは、「リストマーケティング」です。リストを使ってマーケティングをするためのスキルで、見込み客の集客や育成はもちろん、アプローチの効率を高めるためのリスト整理もできなければなりません。

ここではCRMやMAなどのツールがあると便利でしょう。それぞれのツールをマーケティングにどう活かすのか、どんなものを選べばいいのか知りたい方は、こちらの記事もお読みください。

マーケティングツールの選定ポイントと、用途別の厳選ツール9選

 各種分析スキル

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められる4つ目のスキルは、「各種分析スキル」です。見込み客のWeb行動を分析するためにはもちろん、集客に使う各種チャネル(オウンドメディア、SNS、YouTubeなど)を改善するためにも欠かせません。

最低でも、Google アナリティクスと各種SNSの分析画面の見方は頭に入れておきましょう。

 心理に関する知識

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に求められる5つ目のスキルは、「心理に関する知識」です。人間の心理はどんなときに動くのか、どんな法則があるのかを知ることは、マーケティングの成果に直結します。

返報性の原理(人は誰かに何かをしてもらったとき、お返しをしたくなる)や単純接触効果(同じ対象に複数回接することで、興味や好感度が強化される。ザイオンス効果とも)など、基本的な知識は押さえておきましょう。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)で、ロイヤルカスタマーを育てよう

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は、見込み客の育成や効率的な新規獲得だけでなく、ロイヤルカスタマーの育成にも役立ちます。DRMなら初回の購入・契約時点である程度の顧客関係が築けますし、その手法やコツは、ロイヤルカスタマーの育成にもそのまま応用できるでしょう。

ただ、DRMはそれ単体として取り組む手法というよりは、ほかのマーケティングと組み合わせて取り組むものです。コンテンツマーケティングやテレマーケティング、DMなどで、まずは「反応を示してくれるかもしれない見込み客」を集めましょう。

 

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