クラウドファンディングを成功させるには、リターンが最重要
クラウドファンディングを成功させるには、リターンが最重要です。（寄付型を除き、）ただ善意だけで支援金を出してくれる人はそうそういません。何かしらの見返りがあるから、リターンが魅力的だから、支援者は大切なお金を出してくれるのです。
まずは、リターンの魅力がプロジェクトの成功に直結することを、心に刻み込んでください。それができたら、自分のプロジェクトにおける魅力的なリターンとは何か、続きを読みながら考えていきましょう。
クラウドファンディングを成功させる、魅力的なリターン設定
クラウドファンディングを成功させるには、魅力的なリターンをつくることが大切です。次の5つのコツを意識して、自分たちの提供できる、最高のリターンを考えてみましょう。
【魅力的なリターンを設定する、5つのコツ】
・支援者がどんな人かをイメージする
・リターンは価格帯を分け、複数設定する
・プロジェクトに合ったリターンを設定する
・リターンの内容や仕様はわかりやすく、詳しく伝える
・支援者の気持ちをかき立てる、限定数や特典を設定する
支援者がどんな人かをイメージする
クラウドファンディングを成功させるために、まずは支援者がどんな人かをイメージしましょう。自分たちのプロジェクトに共感し、応援してくれるのはどんな人か、そのイメージをつくります。
例えば「小銭やお札、カードまで入る、ポケットサイズのコンパクトな財布」を作るなら、支援者は「ミニマリスト」や「ちょっとした外出の多い人」と想定できます。この場合、リターンはこれから作る財布そのものとし、その財布がいかに便利で長持ちするかを伝えてあげると、魅力が伝わるでしょう。
リターンは価格帯を分け、複数設定する
リターンは価格帯ごとに、複数の種類を用意するのが好ましいです。5,000円以内、1万円、3万円、それ以上と、価格帯を分けてリターンを設定しましょう。
例えば1万円のリターンだけでは、お金に余裕のない学生は手を出せないかもしれません。反対に、もっとたくさんの支援金を贈りたい人にとって、1万円は物足りない金額でしょう。
プロジェクトに合ったリターンを設定する
購入型クラウドファンディングでは、商品やサービスそのものをリターンにするのが基本です。ただ、価格帯によっては商品やサービスそのものをリターンにできないこともあるでしょう。そのときは、プロジェクトに関係ある物をリターンにしたり、似たプロジェクトをチェックしたりします。
例えば「商品はいいと思うし応援したいけど、高額すぎて手が出せない」という支援者がいたとしましょう。そんな支援者には、商品そのものではなく、商品に関連した「粗品」のようなものを提供するといいかもしれません。
リターンの内容や仕様はわかりやすく、詳しく伝える
リターンを掲載するときは、その内容や仕様をわかりやすく、できるだけ詳しく伝えましょう。例えばクリエイターの仕事を効率化する「究極Bluetoothコントローラー」を作るプロジェクトでは、そのコントローラーでできることや使用感を、動画も使って詳しく伝えています。
これは特に高額リターンにとって重要なことです。それなりに高い買い物をするには、買うべきか否かを決断する「決め手」が欲しいものです。
支援者の気持ちをかき立てる、限定数や特典を設定する
リターンとして提供する商品やサービスを決めたら、支援者の気持ちをかき立てる「限定数」や「特典」も設定しましょう。
限定数が決まっていると、「なくなる前に早く決めなきゃ！」と、支援者の判断を促せます。生産量を管理しやすくなり、在庫を抱えるリスクも抑えられるでしょう。
特典には、「早期購入割引」がおすすめです。クラウドファンディングはたいていの場合、一般販売の前のテストマーケティングとして行われます。一般販売よりも安く買えることを示してあげれば、「それなら、支援にもなるし今のうちに買っておくか」という気持ちを持ってもらいやすいでしょう。
クラウドファンディングのリターンを設定するときの注意点
クラウドファンディングでは魅力的なリターンを作ったり、限定数を設定したりすることが大切です。しかし、これらにばかり目が向いてしまうと、プロジェクトが赤字になってしまうこともあります。
リターンを設定するときは、次の3つの注意点を頭に置いておいてください。
【リターン設定時の注意点】
・そのリターンと限定数で、目標額に届くのか？
・リターンにコストをかけすぎて、赤字にならないか？
・リターンの種類が多すぎたり、高額リターンがなかったりしないか？
そのリターンと限定数で、目標額に届くのか？
クラウドファンディングのリターンを設定するときは、その金額でどのくらいの支援金が集まるのか、目標額に届くのかを計算しましょう。特に限定数を設ける場合は、「限定数×金額」が目標額を超えていなければなりません。
例えば100万円を、1万円のリターンで集めたい場合は、100人の支援者が必要です。それなのに限定数が50では、どう頑張っても50万円までしか集まりません。
似たプロジェクトをチェックして、何人の支援者が見込めるのかを考えるのもいいでしょう。リターンの金額ベースだけでなく、支援者数からもリターンの金額を考えてみるのです。
リターンにコストをかけすぎて、赤字にならないか？
クラウドファンディングを成功させるにはリターンが大切ですが、リターンにコストをかけすぎて、赤字になっては本末転倒です。リターンを返すだけでお金がなくなってしまっては、その後の一般販売で使う資金がなくなってしまいます。
リターンの種類が多すぎたり、高額リターンがなかったりしないか？
クラウドファンディングではリターンの価格帯をバラつかせるのが大切ですが、リターンの種類が多すぎるのもよくありません。プロジェクトの性質やリターンにかかるコストにもよりますが、「5,000円以内、1万円、3万円、それ以上」の価格帯を意識しましょう。
人は選択肢が多すぎると、「選択すること」に疲れてしまい、結局なにも選ばないことがあります。例えば「スーパーのジャム売り場に20種類以上のジャムがあるときよりも、5種類ほどに絞って陳列した方が売上は伸びた」という実験もあります。
ただ、リターンの種類は絞っても、高額リターンは作っておいた方がいいでしょう。プロジェクトによっては10万円以上のリターンを用意しているものもあります。
人の「誰かを応援したい」という気持ちは、意外と強いものです。「高額リターンにはそれだけコストをかける」というよりも、とにかく支援したいという人向けに、原価のなるべくかからない「オマケ」をつけてあげるといいでしょう。
クラウドファンディングのリターンが思いつかないときは
クラウドファンディングを成功させるにはリターンが大切で、基本的にはプロジェクトでつくる商品やサービスがリターンとなります。
しかし、具体的な商品やサービスのないプロジェクトもあるでしょう。特に「寄付型クラウドファンディング」では、リターンを決めるのが難しいかもしれません。
クラウドファンディングのリターンが思いつかないときにしてもらいたい、3つの考え方を紹介します。
【クラウドファンディングのリターンが思いつかないときは】
・まずは担当者とよく相談
・モノがないなら”体験”を
・”精神的な満足感”がリターンになりえることも
まずは担当者とよく相談
クラウドファンディングのリターンが思いつかないときは、まずは担当者とよく相談しましょう。クラウドファンディングサイトにプロジェクトを掲載すると、ほとんどの場合、PRをサポートしてくれる担当者が付きます。
彼らはいくつものプロジェクトを成功に導いてきたプロです。リターンが思いつかないときに限らず、困ったときや悩んだときは何でも相談しましょう。
モノがないなら”体験”を
形のある商品や、具体的なサービスのないプロジェクトなら、「体験」をリターンにするのもいいでしょう。
例えば「被災地支援のための資金を集めるプロジェクト」なら、リターンとして「現地に行き、一緒に支援活動を行う」という体験を、リターンにするのもいいでしょう。
リターンになるモノを作るのもひとつの手段で、例えば寄付型クラウドファンディングの「スーダンの無医村に診療所を作りたい」というプロジェクトでは、診療所を建てるときに使われた「レンガの欠片」がリターンとして送られます。
”精神的な満足感”がリターンになりえることも
特に寄付型クラウドファンディングには、商品やサービスといった「経済的な価値のあるリターン」がありません。しかし、リターンが全くないわけでなく、代わりに「精神的な満足感」の得られる見返りがあります。
たいていの寄付型クラウドファンディングでは「支援活動の報告」がリターンに設定されていますが、ほかにも「Webサイトへの名前の掲載」「現地視察」などを設定することが多いです。このような、支援者が「支援してよかった」と実感できるアイデアはないか、考えてみましょう。
クラウドファンディングの目的に合った、効果的なリターンを考えよう
クラウドファンディングには、資金調達やテストマーケティングなどの目的があります。目的ごとに効果的なリターンは異なるので、プロジェクトにあったアイデアを探してみましょう。
例えばテストマーケティングが目的なら、商品やサービスそのものをリターンにするのがベストです。一般販売の前に、割引価格でリターンとして提供してみるのもおすすめです。
資金調達が目的なら、価格帯はなるべくバラつかせ、数万～数十万円の高額リターンも用意しましょう。
リターンが思いつかない方は、クラウドファンディングサイト「OHACO」までお問い合わせください。
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