集客とマーケティングの違いは?基礎知識や戦略、役立つツール

集客とマーケティングの違いは?基礎知識や戦略、役立つツール

集客とマーケティングの違い

集客でもマーケティングでも、商品やサービスを購入・契約してもらうために人を集めます。そのため、両者は混同されることもしばしばです。

しかし、この2つは異なる言葉です。その違いを端的に表すと、「集客はマーケティングの一部」となります。マーケティングについて考える前に、それぞれの言葉の意味を、詳しく確認しておきましょう。

 集客とは「お客さまを集めること」

集客とはその名の通り、「お客さまを集めること」です。しかし、単に新規のお客さまを集めるだけが集客ではありません。

例えば既存顧客にリピートしてもらうために「ユーザー限定キャンペーン」を実施したり、新規顧客にゆくゆくはファンになってもらうための戦略を取ったりすることも、集客の一環です。「将来、購入や契約をしてくれるかもしれない見込み客」を集めることも、その見込み客にアプローチをすることも、立派な集客といえます。

このように、「すぐに買ってくれるお客さま」以外も大切にし、長いスパンで考えることが大切です。

 マーケティングとは「利益のためのあらゆる活動」

マーケティングとは、「利益のためのあらゆる活動」のことです。マーケティングと聞くと「WebサイトやSNSで情報発信すること」「見込み客に電話をかけること」などが思い浮かびがちですが、次のような活動も利益を出すためには欠かせません。

【見落としがちなマーケティングの例】
・既存顧客の解約率を下げるためのサポート
・原価を下げて利益率を高めるための商品改善
・新規事業の内容やターゲットを決めるための市場調査、分析 など

集客やマーケティングの前に、身に付けておきたい知識・用語

現代のマーケティングにおいて、集客とは「今すぐ購入してくれる人を集めること」ではありません。今すぐ買ってくれる人も含め、自社の顧客となりえる人を集め、育成していくことが集客活動です。

この意味での集客をするうえで覚えておくべきことを、3つ紹介します。

 5種類の顧客

集客をはじめる前に、顧客は大きく、次の4種類に分けられることを覚えておきましょう。集客では、まずは一番上の「潜在顧客」を集めます。広告・宣伝やコミュニケーションを通して、一番下の「ロイヤルカスタマー」を目指して顧客を育成していきます。

潜在顧客自社の商品やサービスを知らない、あるいは必要性に気づいていないが、潜在的にニーズを抱えている人
見込み客商品やサービスの必要性に気づき、自社を候補にしている人
既存顧客自社の商品やサービスを一度でも購入したことがある人
ロイヤルカスタマー商品を何度も購入したり、サービスを継続して使っていたりする人。自社のファンといえる人

この4つに加え、「商品やサービスを使ってくれたことはあるが、しばらくリピートしていなかったり、一度解約してしまったりした人」を、休眠顧客といいます。

 ターゲット・ペルソナ

集客やマーケティングでは、どんな人たちを集めたいのか、「ターゲット」をハッキリさせることが大切です。極端ですが、電動ひげ剃り機を売りたいのに、女性を中心にアプローチしても仕方ありません。

このターゲットを明確にするうえで役に立つのが、「ペルソナ」です。ペルソナはターゲットがどんな人か、年齢や性別、職業、趣味などを具体的にした「架空のターゲット」です。どんな悩みやニーズを抱えているのか、ペルソナをハッキリさせることで、アプローチの方法を考えます。

 カスタマージャーニー

集客やマーケティングの施策や流れを考えるうえで役立つのが「カスタマージャーニー」です。顧客の行動や思考、感情を時系列で表すもので、直訳で「顧客の旅」となります。

ネットワークやテクノロジーの進歩により、マーケティングは複雑になりました。以前はテレビCMや街頭の広告、営業担当者などからしか商品・サービスの情報を得られませんでしたが、今やSNSやブログ、口コミサイトなど、消費者はさまざまな手段で情報を得ています。

商品やサービスそのものの質と価格だけでなく、「サポート内容」や「ブランドの発信する価値観に共感できるか」で選ぶ人も多いです。

このような変化を踏まえ、潜在顧客にどうやって自社を知ってもらうか、どのような方法で他社と差別化するかを考えるうえで、カスタマージャーニーを描くことが役立ちます。

集客前の「分析」に役立つ、3つのマーケティング手法

集客やマーケティングをする前に、まずは市場や競合の状況、その中での自社の立ち位置を把握しなければなりません。これを把握せずに集客やマーケティングをしても、自社の強みを活かせないでしょう。

参入する市場を決めたり、そこでどんな立ち位置を確立するかを考えるときは、次のような分析手法が役立ちます。

3C分析

「Costomer(市場と顧客)」「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」の3つのCから

自社の立ち位置を分析する

PEST分析

「政治」「経済」「社会」「技術」の観点から分析する手法で

コントロール不能な要因から受ける影響を考えられる

ファイブフォース分析

「新規参入者や既存の競合」「買い手やサプライヤーの交渉力」「代替品」などによる

脅威に注目する分析手法

これらの分析手法については、こちらの記事で詳しく解説しています。市場に参入した後に行うマーケティング手法も紹介しているので、集客のイメージがわくでしょう。

【マーケティング手法14選】分析、ブランディング、ファン獲得の方法

集客やマーケティングに使えるチャネル

現代では、集客やマーケティングの主戦場がリアルからWebへと移り変わりつつあります。リアルでのマーケティングがなくなることはないでしょうが、Webの重要性は高まる一方です。

Webでマーケティングや集客をするときは、次のようなチャネルを使います。

各種SNS

TwitterやInstagramなどを使って、情報をこまめに発信できる

認知拡大や顧客とのコミュニケーションに有効

オウンドメディア

自社のWebサイトで、顧客にとって有益な情報を発信する

「見込み客→既存顧客」「既存顧客→ロイヤルカスタマー」の育成に有効

メール

メルマガや各種お知らせなど、メール配信を通して見込み客の育成や休眠顧客の発掘ができる

メールの内容次第で、あらゆるフェイズに有効

SNSやオウンドメディアを使ったマーケティングはイメージしやすいでしょう。メールを使った「メールマーケティング」については、こちらの記事で詳しく解説しています。メルマガ以外のメール活用法が思いつかないときは、ぜひ参考にしてください。

メールマーケティングとは?目的別のやり方やコスト削減のコツ、用語を解説

集客やマーケティングに役立つツール

現代のマーケティングは複雑化し続け、やるべきことも増える一方です。すべてを人力で行うことは、もはや不可能でしょう。

そこで活用したいのが「ツール」です。次のようなツールは分析に欠かせませんし、ものによっては集客や顧客育成を効率化・自動化できます。

CRM

顧客の基本情報や接点履歴などを保存・閲覧できるツール

顧客との関係構築に役立つ機能が充実している

SFA

CRMに近い機能に加え、メール配信やスケジュール管理など

営業担当者をサポートする機能が充実している

MA

マーケティングオートメーションの略称で

ステップメールの配信や見込み客のランク付けなどを自動化できる

集客はマーケティングの土台!市場と顧客を知ることが成功への近道

集客はマーケティングの土台ともいうべきフェイズです。まずは市場と、そこにいる人々のことを知りましょう。どんな人たちが自社のターゲットなのかを知り、どうアプローチすべきかを考えるのです。

すでにある程度の顧客がいるなら、まずは自社の顧客を分析しましょう。彼らがなぜ自社を選んでくれたのかがわかれば、自社の強みも見えてきます。新しい商品やサービスを利用してくれそうな顧客も見つかるでしょう。

 

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